【本社所在地】東京都港区
【営業拠点※】札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡ほか14営業部45支店
【製造拠点※】筑波、霞ヶ浦(以上茨城県稲敷郡)、宇部(山口県宇部市)、タイ(アユタヤ)、中国(シンセン)
【開発拠点】理想開発センター(茨城県つくば市)
【従業員数※】1716名(グループ全体3604名)
【連結子会社※】28社(国内2社・海外26社)
【事業内容】高速カラープリンター「オルフィス」、デジタル印刷機「リソグラフ」、インク、マスター(版)などの消耗品の開発、製造、販売、メンテナンスまでを一貫して手掛けている
※2017年3月31日現在
理想科学工業の開発ポリシーは「世界に類のないものを創る」。このポリシーにのっとり、高速カラープリンター「オルフィス」を2003年に開発。独自開発した油性顔料インクを使用し、1枚当たり2円以下というモノクロ出力並みのコストで、フルカラー印刷を実現している。また長年培った高速用紙搬送技術により、最新機種「オルフィスGD9630/GD9631」は、世界最速を更新(同社調べ※)、経済性に優れた高速カラープリンターとして高い評価を受けている。
※2017年6月時点における枚葉(カット紙)オフィス用カラープリンター(A4普通紙紙面横送り、標準設定連続プリント、GDフェイスダウン廃止トレー使用時)の場合
前編では【理想科学工業 開発本部 R&Iセンター】のシゴトバを紹介しました。
後編では武本和大さんに入社の決め手やシゴトバの魅力、これから就活を迎える学生さんへのアドバイスなど、お話しいただきます。
<後編>「理想科学工業」で活躍する社員にインタビュー
-学生時代の専攻を教えてください
首都大学東京理工学系で物理学を専攻し、大学院では情報通信システムコースでレーザーに関する研究を行っていました。研究テーマにレーザーを選んだのは、物理現象が実際に活用された応用物理の分野であり、しかも最先端技術。そこに魅力を感じたからです。将来性もあると思いました。
-就活中の企業選びで大切にしていたことと、入社の決め手を教えてください
私が理想科学工業に入社したのは2011年4月。就職活動をしていたころはリーマン・ショックの影響が尾を引き、就職氷河期でした。ですが、厳しい就職活動でも妥協なく企業を選びたいと考えていました。
学生時代に学んだレーザーの知識が生かせるモノづくりの会社を中心に就職活動をしましたが、興味を持てる分野であれば、特に事業内容へのこだわりはありませんでした。説明会や面接に赴く中で、大切にしていたのは、企業で働く人たちの人柄です。説明会や面接で会う先輩社員たちがどんな人たちなのか、それを重視して企業選びを行いました。もう一つ、こだわったのは若いうちから仕事を任せてもらえるかどうかです。自分も戦力になれたとき存在意義を感じられる企業がいいなと思っていました。
理想科学工業に入社を決めた理由は次の3つです。
1. 先輩社員が自分の設計した製品を誇らしげに語っていたこと
2. 「世界に類のないものを創る」という開発ポリシー
3. 若いうちから仕事を任せてもらえる
先輩社員が自分の設計を誇らしげに語っていた姿を見た時、その話し方、表情で「この先輩は本当に仕事にやりがいを感じているんだな」と実感したのです。大学時代の研究で「自信を持って成果を発表できた」という感覚をあまり感じられていなかったので、私もこの先輩たちのように、誇れる仕事をしてみたいと感じたのです。
誇れるような仕事ができるのには、理由があることもわかりました。それは理想科学工業の開発ポリシーです。「世界に類のないものを創る」。この開発ポリシーにも引かれました。実は、就職活動をするまでは理想科学工業のことは知りませんでした。ですが、調べていくうちに世界最速級のオフィスプリンターを開発し、グローバルに提供していることがわかりました。プリンターというと大手企業しか当時の私は知りませんでしたが、オリジナルの技術を持っているところに、かっこよさを感じたのです。
そして最後の決め手は、面接を通して、社歴が少なくても個人の発想を大事に仕事を任せてもらえる文化があると確認できたことです。そんなことから、理想科学工業でぜひ働きたいと思いました。
-入社してから感じる理想科学工業の魅力は?
理想科学工業に就職を決めた時、福利厚生などについてはほとんど調べませんでした。しかし、経営状態も安定しており、福利厚生も充実しています。「世界に類のないものを創る」という開発ポリシーからもわかるように、開発業務に専念できる環境が用意されていました。若手のうちから責任ある仕事に就け、成長機会がたくさん用意されていることもうれしい誤算でした。
また、魅力はそれだけではありません。当社の特徴は企画から製品設計、部品の調達、組み立て、販売・メンテナンスに至るまで、すべて自社で行っていること。例えば自分が携わった製品の売れ行きや評判などが、営業に携わっている同期や先輩から直接入ってくるのです。自分が携わった開発が事業に結び付いているんだと認識できるので、仕事のやりがいにもつながります。
そして、担当する業務の分野が幅広いことも魅力です。私は用紙搬送技術の設計ですが、その担当個所だけを設計していればよいわけではありません。その要素検討や組み立て、実験評価などの周辺分野の業務も担当するからです。いろいろな業務に携わるたびに知識が増える。新しいことにチャレンジしたい人にとっては楽しいシゴトバだと思います。
-開発本部 R&Iセンターで必要とされるスキル・知識はありますか?
社員の学生時代の専攻の中で一番多いのは、機械系です。そのほか、電気系、情報工学系、化学系の人たちもいます。必須の知識があるかと言われると、ないと思います。私は入社して以来、機械設計を担当してきましたが、その知識は入社してから身につけました。「機械設計をしてみたい」という希望があったからです。このように当社ではやってみたいというチャレンジを受け入れてくれる風土があり、それをサポートしてくれる環境も用意されています。「世界に類のないものを創る」ためには、アイデア発想力が必要です。そういった能力を磨くため、自己申告してアイデア発想の研修に行かせてもらうこともあります。
あった方が絶対よいと思うのは英語力です。当社の取引先は、海外にもたくさんあります。したがって、海外出張をする機会も多々あります。私も昨年は2回、海外の展示会に参加するため出張しました。社内で週1回開催される英語研修を受講するチャンスをもらい、英語力を磨いています。
-入社を目指す学生さんへアドバイス
今学んでいることは、直接ではなくともきっと仕事に役に立つことがあると思います。だから勉強や研究、趣味、とにかく興味のあることは精いっぱいやってください。実は、私は一時期、趣味でプログラミングを勉強していたのですが、それが仕事で役立つことが何度かありました。
新しいことを発想するには、いろいろな視点を持つことが必要になります。私は入社してから趣味が増えました。天体観測や写真、スノーボード、キャンプ、興味を持ったものにはどんどんチャレンジしています。そういうさまざまな日常の中に、アイデアのヒントがあると思うからです。
気分転換できる空間が多数用意されている
屋上には庭園が広がっており、ちょっとした気分転換もできる空間に。ランチを食べたりすることもできるそうです。
食堂の隣にあるカフェ。安くておいしい本格的なコーヒーを飲むことができます。コーヒーは1杯90円。マイボトルを持参すると、さらに15円値引きになるとのこと。新聞や雑誌なども用意されており、勤務中に気分転換を図る空間としてはもちろん、打ち合わせに使う人もいるなど、多目的に使われています。
食堂も充実しており、定食は2種類、それぞれ300円前後で食べられます。そのほか麺類や丼物、お皿に自分の好きなおかずを盛り、そのグラム数で値段が決まるグラムデリなどのメニューが用意されています。
取材・文/中村仁美 撮影/刑部友康